講師インタビュー

第1回:異文化コミュニケーション ~とにかくしゃべろう Your 英語~

Beetle1 代表 英会話コーチ
Shinji UEHARA(うえはら しんじ)

ビートルズが好きで、バンド活動をしていた高校生は日本を出てみたい、外国を見てみたいと思った。高校卒業後、一旦就職するものの、外国への想いは捨てきれず、21歳で単身アメリカへ渡った。その日から、一人も知り合いのいないニューヨークで片言の英語を総動員しながらのサバイバル生活が始まった。
UEHARA先生が教えるのは、21年にわたるアメリカでの体験をもとに、多国籍、多文化社会で体当たりで身に着けた英語コミュニケーション。単なる英会話レッスンではない。英語への苦手意識を打ち破って、英語の中へ飛び込んでみる!とにかく、しゃべろう!

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パスポートも持っていなかった。
飛行機に乗るのも初めて。
言葉の通じない国へ渡ったのは、冒険してみたかったから!?

――21歳で英語もしゃべれないのに単身渡米した。そのとき、何があったのですか?
何があったか? 特別な理由はなかったですね。基本的には、行ってみたい、それだけです。どうしても行ってみたかった。それが一番の理由だと思います。アメリカへ行って特別に何か大きなことをやろうとか、そんなんじゃなかったです。

――他の国ではなくて、アメリカですか?
高校のときにバンドをやってたんですよ。ビートルズが好きだったので、ほんとはイギリスに行きたかったんですが、「行くぞ」と決めたとたんに、旅行社に勤めていた友達から「ニューヨーク行きの格安チケットがあるんだけど、買う?」。基本的に「NO」と言わない人間なので、「YES」。「いいよ、買うよ」と、そのチケットを買ったんですね。それで、ニューヨークに行ったと。

――その以前から外国へ行きたいと考えておられたんですか?
高校卒業して、働き始めて1年くらい経ったときに、いつかはちょっと外国へ行ってみたいなというふうには思っていましたね。当時はインターネットなんて普及してませんし、携帯電話もない。本屋さんに行って、「地球の歩き方」とかそういったものを見て、そういう風な感じでした。

――何かアメリカに期待したものってあったんですか?
つまり、冒険ですよね。向こうに友達もいないし、知り合いもいない。それに当時、私は飛行機に乗ったことがなかったんです。パスポートも初めて取ったんですよ。すべてが初めてのことばかりで、どうなるんだろうなと。ただ面白いんですけど、自分に子どもができて、自分の子どもをそんなわけのわからない状態で行かせるかなと思ったときに、よく自分の親がOKしてくれたなというふうに、いま、思っています。

――ご両親は何とおっしゃってるんですか?
小さいときから、一旦やると言ったらやっていたので止められないだろうと。それに、僕が親を裏切るようなこと、たとえば犯罪を犯したりなどはしないだろうと、そこはやっぱり、親との信頼関係だったと思います。

――行ってみて、アメリカはどうでしたか?
それがですね、行って2日目で帰りたくなったんです。なぜかというと、マンハッタンに着いて、その次の朝、街を歩いたときに、街の匂いや歩いている人は全然違うんですけど、大阪とあまり変わらないじゃないかと思ったんですね。大阪のビルがいっぱい建っているところにぽつんと一人居るような感じだったんで、自分が見たものを誰かとシェアする、共有するということができないじゃないですか、一人ですから。だから何かつまらなくなったんです。

――それはホームシックとはまた違うんですか?
違うんです。もっとバーンと刺激的なものがあるかなと思っていたんですが、なんか変わんないじゃないかみたいな。

――では、ニューヨークでまず何をされたのですか? 暮らしていくために。
ニューヨーク大学の前に公園があるんです。ワシントンスクエアパークという公園です。そこで友達ができたんです。彼はスイス人なんですけれど、公園でたまたま近くに座って、私がいまでいうバックパッカーですよね、それを見て、「日本人か?」と英語で尋ねてきたんです。もちろんその当時は全く英語しゃべれないですけれど、「ジャパニーズ?」と言われて、「そうだ」と。その彼と友達になってからいろいろと変わったんです。

――友達ができたことが大きかった?
そうですね、それが大きかったですね。彼は何年か前、スイスからアメリカに旅行で来て、働いていました。

――家を探したり、生活する環境を整えなければいけなかったんですよね?
最初、ホテルに泊まってますよね。その彼と会って、すぐに彼の家へ行ったりはしなかったんですが、初めての人ですから、片言ではしゃべるんですけどあんまりよくわからない。何時間か一緒に話をして、また明日会おうねというような。そうして何日間か後、彼が日本人の友達を連れてきたんです。彼らはルームシェアして住んでたんです。ニューヨーク大学の学生とか、彼みたいに働いている人とか、5人くらいいたと思います。日本人の留学生、スイス人の彼、イギリス人、アメリカ人が一人と、もう一人はオランダ人、5人で1つの家を借りて住んでたわけなんです。「そこに来るか」と言われたんです。そのときはすごい決断だったんです。この人たちに着いていって大丈夫なのかなと。全く知らない人じゃないですか。着いていって、もしおかしな奴らだったらやばいんじゃないかなと。それで、何日間か一緒に過ごして、そんなに悪い奴には見えない。だから大丈夫だろうと思って着いていったんですね。

いまでいうシェアハウスですね、彼らはほんとに普通の人たちで、私が恐れていたものではなかった。一緒に滞在してもいいよと意気投合したんです。ラッキーな出会いだったと思います。

(つづく)

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