第41回大阪公立大学医学部MedCity21医学講座
知りたい、聞きたい、治したい!!
高齢者を悩ませる骨盤臓器脱
開催日 | : | 2023/2/1(水)~2023/2/28(火) ※撮影・編集の都合により公開日が変更となる場合があります。 |
---|---|---|
会場 | : | オンライン配信 |
閲覧方法 | : | インターネットでご視聴いただけます。 https://www.omu.ac.jp/lifelong-learning/course/event-01610.html |
受講料 | : | 無料 |
講師 | : | 古山 将康(石切生喜病院 婦人科 名誉院長) |
備考 | : | 大阪公立大学医学部MedCity21医学講座は、「ハルカス大学」プロジェクト講座の一環として、
市民のみなさまに、病気の治療や予防についての知識を深めていただくために開催しています。
♦お問い合わせ先♦ 大阪公立大学医学部附属病院 先端予防医療部附属クリニック MedCity21 〒545-6090 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43あべのハルカス21階 TEL:06-6624-4010(平日9時~16時30分) |
第41回講座のテーマ「知りたい、聞きたい、治したい!!高齢者を悩ませる骨盤臓器脱」です。
高齢化社会を迎えて女性の閉経以後のQuality of Life(QOL)の向上は我々産婦人科臨床医の大きな課題であります。特に分娩、出産を契機として出現してくる尿失禁、性器脱、便失禁などの骨盤内臓器の機能不全は著しくQOLを低下させ、潜在的な患者を含めると多数の患者さんが悩んでいます。骨盤内臓器の大切な機能は尿や便を貯めて、適切な時期に自由に排出させる機能、妊娠を維持し胎児を娩出させる機能がありますが、これらは骨盤底筋群のフラップバルブとしての機能と考えられます。骨盤機能不全は膀胱、尿道、膣、直腸などの骨盤内臓器を支持する骨盤底の筋肉や筋膜の異常として出現してきます。支持の異常は一様ではなく、それぞれの患者さんに対して解剖学に基づいた的確な診断が必要となります。診断が正確になされてはじめて次のステップである治療法が選択可能となります。治療法としては運動療法、薬物療法、ペッサリーで代表される保存的治療と外科的治療が施行されます。軽症の患者には保存的治療は有効ですが、漫然と続けずに、必要な場合は適切な外科治療を選択します。外科的治療は診断に基づいた骨盤の支持異常に対して個別化された解剖学的再建手術を選択します。術後も再発や新たに出現する異常を念頭に注意深いフォローアップが必要です。