四天王寺大学 提供講座
四天王寺の信仰と芸能―ハルカスから時空を超えて―
開催日 | : | 5/17(土) 全1回 |
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時間 | : | 13:30-15:00 |
講師 | : | 南谷 美保(四天王寺大学 人文社会学部 学部長) |
会場 | : | あべのハルカス23階 セミナールーム |
定員 | : | 定員40名 |
受講料 | : | 無料 |
予約 | : | 要予約・先着順 |
かつての天王寺駅前と阿部野橋の歩道橋上といえば、ストリートミュージシャンのステージでした。この界隈が芸能者と結びつけられるのには、伶人、すなわち音楽家に由来する天王寺区の伶人町という地名が示すように、実は、聖徳太子の時代からの歴史的背景があるといえると思います。極楽浄土の東門とされた四天王寺の西門周辺も、芸能者が活躍した場所でありました。
ハルカスから時空を超えて、古代・中世の四天王寺をめぐる信仰と芸能について紹介します。
大阪大学大学院在学中より、日本の伝統芸能にも興味を持ち、それ以前に学んでいた西洋音楽から、大きく専門分野を変えることとなりました。最初は、仏教法要で唱えられる声明(しょうみょう)について研究していましたが、その後、四天王寺における舞楽法要を中心に研究をすすめ、最終的には、舞楽法要において楽と舞を担当する楽人と呼ばれる人たちが、どのようにその芸を伝承し、また、どのように生活の糧を得ていたのかなどを江戸時代の資料をもとに研究しています。また、外来芸能である雅楽が、古代日本においてどのように受容されたのかということについても研究しています。古代の文化先進地域であった難波にあった四天王寺。ここで、活躍した雅楽演奏家の伝統が、1400年の時を超えて現代にまで伝承されていることは「すごい」ことなのです。
現在、四天王寺大学人文社会学部長、日本学科教授。著作に『四天王寺聖霊会の舞楽』(単著)、『楽家類聚』、『越境する雅楽文化』(いずれも共著)など。